SiC(シリコンカーバイト)の接合が難しい理由
SiC(シリコンカーバイド)は非常に硬く脆いため、機械的・熱的衝撃に対して弾性変形よりも脆性破壊が起こりやすく、接合時に割れやすいという問題があります。さらに融点が高く、化学的にも極めて安定しているため、ろう付けや溶接などの溶融接合が難しく、濡れ性も低いため接合材との界面反応や拡散が起こりにくいことが障壁となります。
そのため、高温高圧下での拡散接合や活性金属ろう付けなど、特殊な装置や高度なプロセス管理が必要です。また、SiCは熱衝撃に弱く温度勾配が大きいと破損しやすいため、加熱・冷却工程の制御もシビアになります。これらの要因が重なり、SiCの接合は難易度が高いとされています。

超音波はんだ付けならSiC接合が容易にできる

超音波はんだ付けは、溶融はんだに超音波振動を与えてキャビテーション効果を生み出し、SiC表面の酸化膜や汚染物を物理的に除去して濡れ性を高める手法です。通常のはんだ付けでは、化学的に安定で融点も高いSiCとの反応が起きにくく接合が困難とされますが、超音波による機械的エネルギーで表面を活性化することで、強固な付着力が得られます。
さらに、比較的低温での接合が可能なため、熱膨張係数の差による応力や脆性破壊を抑制し、品質と信頼性の高い接合を実現できます。またフラックスを使用しないことから、洗浄工程の簡略化や残渣による腐食リスクの低減といったメリットも得られます。これらの要素が組み合わさることで、高硬度かつ熱安定性に優れるSiCでもスムーズな接合が可能となります。
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