端子の接合では、フラックスに依存した従来のはんだ付けが酸化膜除去や洗浄工程、熱管理などで難易度を高めることが多いのに対し、超音波はんだ付けは振動による物理的な酸化膜破壊効果を利用できるため、フラックスを使わず、あるいは極めて少量でも高い濡れ性を確保できる点が大きな特徴です。
これにより通常より低温で強固な接合を形成でき、端子や周辺部品への熱ダメージを抑えられるほか、洗浄工程の削減によるコストや環境負荷の低減も期待できます。

また、ボイド(空隙)や残渣が少ない接合が得られ、長期信頼性や耐久性の向上につながることから、品質面や工程効率の両面でメリットが大きい技術となっています。端子接合において超音波はんだ付けが選好されるのは、主に次のようなケースです。
フラックス残渣を嫌う/使えない場合
医療機器や真空中で使用される部品の端子接合においては、フラックス残渣や洗浄剤成分が残ること自体が問題となる場合があります。超音波はんだ付けは、フラックスを使用せずに酸化膜を物理的に破壊しながら接合を行うため、フラックスレスが必要とされる環境下で特に有効です。
酸化膜が強固な端子材や異種金属を接合する場合
アルミニウムやステンレスなど、酸化膜が形成されやすい金属の端子に対しては、通常のはんだ付けでは濡れ不良が起きやすく接合強度の安定確保が難しいことがあります。超音波振動による除去効果で酸化膜を壊しながらはんだを広げられるため、安定した冶金的接合が期待できます。
加熱温度を低く抑えたい場合
端子周辺に熱に弱い部品が配置されていたり、端子自体の熱膨張係数や機械的特性が厳しく管理されている場合などでは、高温でのはんだ付けが難しいことがあります。超音波はんだ付けなら、従来よりも低い温度でのプロセスが可能になり、部品の熱ダメージを抑制できます。
高い信頼性や長期安定性が要求される場合
車載部品や産業用ロボットなど、振動や温度変化が激しい環境で使用される端子においては、ボイド(空隙)が少なく剥離や亀裂が起こりにくい高品質な接合が不可欠です。フラックス残渣や濡れ不良が少ない超音波はんだ付けは、長期にわたり安定した電気的・機械的信頼性を保つうえで有利です。
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