タングステンの接合が難しい理由

タングステンは金属中でも極めて高い融点を持ち、常温付近では脆性が高いため、接合プロセスで生じる熱応力や機械的応力により割れが発生しやすいという難しさがあります。さらに、高温でも化学的に安定して拡散速度が低く、表面酸化膜や汚染物の除去も容易ではありません。

また、熱伝導率は高い一方で熱膨張係数が比較的小さいため、加熱や冷却時に温度分布を均一に保つのが難しく、応力集中が起こりやすい点も課題です。これらの要因が重なることで、タングステンの接合には高温・高真空環境での高度な装置や厳密なプロセス制御が求められ、コストや技術的ハードルが高くなります。

超音波はんだ付けならタングステン接合が容易にできる

超音波はんだ付けでは、高周波振動により溶融はんだ中にキャビテーションが生じ、タングステン表面の酸化膜や汚染物を物理的に取り除くことで、フラックスを使わずとも高い濡れ性が得られます。比較的低温で接合できるため、高い融点と脆性が特徴のタングステンでも大きな熱応力や組織変化を生じにくく、信頼性の高い接合界面を形成できます。

熱伝導率が高い一方で熱膨張係数が小さいタングステンでも、はんだが十分に広がることで応力集中を軽減でき、フラックスレス接合による洗浄工程の削減や環境負荷の低減といったメリットも得られます。こうした要因により、従来は難易度の高いとされてきたタングステンの接合を簡便化できます。

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