超音波はんだ技術による異素材接合
超音波はんだ付けが異素材の接合を可能にする最大の理由は、超音波振動によるキャビテーション効果とその物理的エネルギーにより、フラックスを使用せずとも両素材表面の酸化膜や汚染物を除去できる点です。
異なる素材同士は、それぞれの化学的性質や表面酸化膜の性質が異なるため、通常のフラックスを用いた接合では十分に濡れ性が得られない場合があります。しかし、超音波はんだ付けであれば、表面を機械的に活性化してはんだが密着しやすい状態を作り出すことができ、フラックスレスでも強固な接合を形成できます。
また、比較的低い温度帯での接合が可能なため、異なる熱膨張係数を持つ材料同士でも大きな応力が発生しにくく、クラックや変形のリスクを低減できることも利点です。
こうした要素の組み合わせにより、金属とセラミック、あるいは高融点金属同士など、従来は難易度の高い異素材の接合が実現しやすくなります。

異素材接合できる主な材料
超音波はんだ付けでは、以下のような多様な材料同士を異素材接合することが可能です。
- アルミナ(Al₂O₃)、ジルコニア(ZrO₂)、炭化ケイ素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)など
- 融点が高く化学的に安定で、通常のろう付けや溶接では濡れ性を確保しにくい材料にも対応可能です。
- ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、シリカガラスなど
- 超音波振動により表面汚染物が除去され、低温でもはんだが濡れるため、ガラスと金属の組み合わせなどが実現しやすくなります。
サファイア・その他結晶材料
- サファイア(酸化アルミニウム単結晶)、窒化ガリウム(GaN)など
- 極めて硬く脆い材料でも、表面活性化が可能となるため異素材との接合が期待できます。
これらの材料同士は、従来のフラックスを使用したはんだ付けや溶接では酸化膜・汚染物の除去が難しく、化学的または物理的に十分な界面形成ができない場合が多々あります。
しかし、超音波はんだ付けでは、高周波振動によってキャビテーションを発生させ、フラックスを用いずに表面を清浄化・活性化できるため、濡れ性の向上と強固な接合が実現しやすいことが大きな特徴です。
加えて、比較的低温での接合が可能なため、異素材間で大きく異なる熱膨張係数による応力も抑えられ、クラック発生を低減できるメリットがあります。

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